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山津波とは?発生の原因や対策を解説
2024年02月29日
大地震が発生すると海からやってくる津波のほか、山からは山津波が起こる恐れもあります。
2024年1月1日に発生した能登半島の地震でも山津波が発生しました。
大地震が発生したら海から離れろとよく言われますが、山にも危険があります。
本記事では、山津波が発生する原因や対処法を紹介します。
山津波とは?概要を紹介
山津波とは山の斜面が崩壊して川をせき止め、水量が限界を超えたときに土砂や水などが一気に下流に押し流される現象です。
まるで津波のように水を多く含んだ土砂が山の麓に向かって流れ落ちることから、「山津波」と呼ばれました。
現在の呼び名は「土石流」が主流です。
2024年1月1日に発生した能登半島の地震の際にも、山津波が発生して多くの家屋が土砂に埋もれました。
山津波は地震が起きたからといって必ず発生するとは限りません。
近年は山の整備が進んで昔よりは山津波が発生しにくくなってもいます。
しかし、発生する可能性はゼロではありません。
山に近い場所に住んでいる方は、防災知識として山津波を知っておきましょう。
山津波が発生しやすい場所は?
山津波が発生しやすい場所は、谷川の出口に当たる扇状地です。
また、山を切り開いて宅地にした場所も山津波が発生しやすい傾向です。
扇状地とは山から流れてきた川が急に広い場所に出た所にできやすく、良好な宅地として整備された場所もたくさんあります。
ただし、山津波が発生しやすい場所以外でも山津波が発生する可能性はあります。
大きな地震が起きた場合はもちろんのこと、大雨が降り続いたときなどは山の状態を注意深く観察しましょう。
山津波はいつ発生する?
ここでは、山津波が発生しやすい条件を紹介します。
山津波が発生すると、すさまじいスピードで迫ってくるので逃げ切るのは難しいでしょう。
山津波が発生しやすい条件を知っておき、早めの避難を心がけてください。
大地震が起きたとき
山津波が最も発生する可能性が高いのは、大きな地震が発生したときです。
大地震が発生すると小さい崖崩れや土砂崩れが起き、谷川をせき止める場合があります。天然のダムのような状態になるといえば、イメージしやすいでしょう。
水の圧力にせき止めた土砂が耐えられなくなると、水と土砂がすさまじいスピードで平野に向かって滑り落ちていきます。
大地震が発生した際は、ほとんどの方が避難に手一杯になって山の様子まで気が回らないケースが多いです。
また、地震発生から時間が経ってから山津波が発生する場合もあります。
大量の雨が降ったとき
大量の雨が短期間に振った場合も、山津波が発生する可能性が高まります。
近年はゲリラ豪雨など短時間に非常に強い雨が降ることも珍しくありません。
短期間で大量の雨が降ると、山の保水力が限界を超えて地滑りなどが起こりやすくなります。
その結果、谷川の水をせき止めて大地震のときと同じように山津波が発生する条件が整います。
台風のときも、倒木などが谷川をせき止めて同じように山津波が発生する場合もあるでしょう。
豪雨、強風などの自然災害が発生したら山の状態を注意深く観察する必要があります。
山津波の対策は?
山津波のスピードは通常の津波以上に早い場合もあります。
また、高い所から低い所に土砂が押し寄せるので勢いついて大きな被害が出るケースも珍しくありません。
ここでは、山津波の被害に遭わないための対策を紹介します。
地震が発生したら山からできるだけ離れる
地震が発生したら、可能な限り山から離れましょう。
家の裏にすぐ山が迫っているといった場合は、安全が確認できしだ広い場所に逃げるのがおすすめです。
山津波が発生しないまでも、土砂崩れが発生する場合もあるでしょう。
また、山津波は地震が発生してしばらくしてから起こる可能性もあります。
家に戻る場合は周囲をよく確認し、少しでも異常が感じられたら命を最優先しましょう。
なお、以前山津波が発生した、といった場所は整備しても再び山津波が起こる可能性もあります。
家を購入する場合は、土地の歴史をよく調べましょう。
長雨が続く場合は早めの避難を心がける
豪雨災害、長雨、台風などが発生した場合は早めの避難を心がけましょう。
山津波が発生する前には、谷川の水がせき止められるので川の水の水位が急激に減るといった症状のほか、木が裂けるような音がするなどの前兆が出る場合があります。
しかし、激しい雨や風の中、川の様子や異様な音には気づかない場合もあるでしょう。
現在は豪雨災害や台風は、事前に気象庁が警報を出してくれます。
豪雨や台風が発生する場合は早めの避難を心がけてください。
特に、子どもや高齢者がいるご家庭は遠方への避難ができるなら検討しましょう。
まとめ
本記事では山津波の概要や危険性について紹介しました。
山津波は一般的な津波よりはマイナーな存在ですが、発生した場合の被害は津波以上になる場合もあります。
2024年1月1日に能登半島で起こった地震の際にも山津波は発生しました。
地震が起きたら海から離れるのは常識となっていますが、山からも可能な限り離れましょう。
また、台風や豪雨が発生した場合は早めの避難を心がけてください。
山津波の勢いからは逃れるのは難しく、早めの避難が重要です。