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電線地中化における管路とは何かを解説

2023年11月12日

管路とは、電線や光通信などのケーブルを地下に埋設するための専用の管です。
水道・土木などいろいろな工事で用いられますが電線地中化においてなくてはならない設備です。

今回は電線地中化における管路の役割などを解説します。
電線地中化のメリットなども紹介するので参考にしてください。

電線地中化における管路とは何かを解説

管路とは?

管路とは、電線・通信ケーブル・水道管などを地下に埋没するための専用の管です。
管工事が必要な、土木工事や水道管工事、電線地中化工事などいろいろなシーンで使われます。
名称も工事によって変り、水道管路の場合は配水本管や水道管路と呼ばれ、電線の場合は管路部と呼ばれます。

また、電線の管路部は地上に設置されている地上機器部と接続部を繋ぐ役割を担っています。
他の電線よりも管が太く、複数の線が束になって使われているケースもしばしばです。

電線地中化における管路の種類とは

ここでは、電線地中化における管路の種類について解説します。
できた当初から地下に埋められていた水道管とは異なり、電線の地中化はここ30年ほどで盛んになった工事です。
管路の種類もいろいろあるため、参考にしてください。

引込管路

引込管路とは、整備対象道路敷内にある管路の総称です。
引込管路の上には引込設備が設置されます。
引込設備とは聞き慣れない単語ですが、地上に出ている四角いボックスのような機器です。

電線地中化が行なわれている場所は等間隔で設置されています。
「見たことはあるが、何の目的で設置されたかは分からなかった」という方もいるでしょう。
なお、引込管路は電線だけでなく通信線でも造られます。

連系管路

連携管路とは、電線共同溝に収容された電線と電柱に張られた一般的な電線を結ぶために必要な管路です。
都市部を中心に電線の地中化が進んでいますが、発電所で作られた電気を最初から地下を通して利用する場所まで運ぶ技術はまだありません。

そのため、連携管路が定期的に必要となります。
また、定期的なメンテナンスが必要なため、工事業者や自治体などは位置を把握しています。

管路部

管路部とは、電線を管路材に収容する部分の総称です。
1本の管に1つのケーブルを入れる、1管1条方式や1つの管に複数のケーブルを入れる1管多条方式など複数の方式があり、設置場所や予算に応じて使い分けられています。

また、工事方式や実施しなければならない工事方法なども自治体によって決められているため、確認のうえ工事を行なう必要があります。

管路を使った電線地中化とは

電線の地中化とは、文字どおり上空に張られている電線や通信線を地中に埋没する工事です。
電気が広く一般家庭に使われるようになった頃は、電線を地中化する技術がありませんでした。

また、電線の量も少なかったので架空電線でも問題なかったのです。
しかし、日本中あらゆる場所で電気が使われるようになった結果、電線とそれを支える電柱も増えました。

さらに、インターネットの発達によって通信線の量や種類も増えています。
電線・電柱が増えれば道路が通りにくくなるだけでなく、景観も悪くなります。
火事や地震などの災害が発生すれば、切れた電線が垂れ下がるなどして大変危険です。

電線を地中化すれば、景観がよくなるだけでなく、道路が広く仕え火事や地震などの災害にも強くなります。
都市部を中心に電線の地中化が随時進められています。

電線地中化のメリット・デメリットを解説

最後に、電線を地中化するメリット・デメリットを解説します。
電線の地中化は都市部を中心に進められていますが、架空電線のほうにメリットがある部分もあります。

電線地中化のメリット

電線を地中化すれば、景観がよくなるのに加えて、道路が使いやすくなります。
特に狭い道の場合、電柱のぶんだけ歩道が狭くなって歩きにくくなります。
一般の方はもちろんのこと、高齢者が乗るシニアカーやベビーカーなどは通りにくくなり、危険度も高くなるでしょう。

このほか、地震や火事がおきても地中のほうがダメージが低いです。
これに加えて、電柱が敷地内にあったり敷地の前にあったりすると土地の資産価値が下がります。
電線を地中化すれば資産価値が向上するのもメリットです。

電線地中化のデメリット

一方、電線地中化のデメリットとしては、以下のようなものがあげられます。

・土地の持ち主との交渉が難局しがち
・工事費が架空電線よりも高くなりがち
・メンテナンスが難しい
・地中で電線が切れると修理が大変

電線や通信線をただ張り巡らせるだけならば、架空のほうが簡単でメンテナンスも楽です。
破損箇所も分かりやすく、何かあってもすぐに対応がで可能です。
地中化にすると、メンテナンスのための費用と手間がかかります。
また、私有地に電線を通す場合の交渉も難航しがちです。

まとめ

今回は、電線地中化の際に使用する管路とは何かを中心に、電線地中化するメリット・デメリットを解説しました。

電線の地中化は一部ではかなりの面積が実施されていますが、地方ではまだまだ進んでいません。
課題も多いですが低コストの電線地中化の技術も開発されており、電線地中化はこれからも少しずつ進んでいくでしょう。
電線地中化ができる会社の需要もこれから高まっていくのが予想されます。