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SWS試験とは?概要や実施事例・メリット・デメリットを解説

2023年10月13日

SWS試験とは地盤の強さを調べる簡易調査法の一種です。
日本では1976年より実施されています。
土地を購入した後、SWS試験をすすめられるケースも多いでしょう。

この記事では、SWS試験の概要や実施事例、メリット・デメリットを解説します。
土地の購入を予定している方は、参考にしてください。

SWS試験とは?概要や実施事例・メリット・デメリットを解説

SWS試験とはどのような試験?

SWS試験とは、土地の地盤の強さを調べる簡易調査法の一つです。
表面から深さ約10mまでの軟弱層の土の状態や、しまり具合を判別するのに用いられます。
土地の強度やしまり具合は、建物を建てるうえでとても重要です。

日本では、日本工業規格JISA1221「スウェーデン式サウンディング試験方法」として1976年に制定されました。
2020年10月のJIS規格(JISA1221)の改正に伴い試験名称がSWS試験変更されます。

いまでも、サウンディング試験方法と呼ばれる場合もありますが、SWS試験と内容は同じです。

SWS試験は、戸建住宅など小規模建築物の支持力特性を把握する目的の地盤調査方法として広く利用されており、一戸建てを建てる際に「地盤調査をしましょう」と提案されたら、SWS試験と考えてよいでしょう。

SWS試験の特徴

SWS試験の特徴には、以下のようなものが挙げられます。

・狭小地や傾斜地でも調査ができる
・データが連続的に測定可能
・調査が簡単
・複数のポイントで調査ができる
・簡易的だが地盤強度を確認できる

地盤調査はいくつかの方法がありますが、SWS試験は狭い土地でも行えるのが大きな特徴です。
住宅地は一つの区画が10坪~20坪なところが多く、10坪未満のところもあります。

そのような場所でも、問題なく調査が行えます。
また、複数のポイントで調査を行うのも容易なので、広い土地での調査や一定期間継続しての調査も可能です。

SWS試験が行われる土地とは?

SWS試験は、1976年に制定された後1980年頃からハウスメーカーを中心に、戸建住宅の地盤調査方法として使用されるようになりました。

かつては、2人の調査員が手動操作する機器を使って行っていましたが、現在は自動式の機械が普及し、よほど特殊な事例でないかぎり作業員が1人で試験を行います。

現在は、戸建てや低層アパートなどの小規模な集合住宅を建てる際の地盤調査に広く利用されています。

なお、日本は固い地盤の平地が少なく、新しい住宅地は田んぼや湿地帯を埋め立てたり山を切り崩して整地したりしているところも多いので、「住宅地」として整備が済んでいる場所でも地盤調査を行う場合も珍しくありません。

SWS試験のメリット・デメリットを解説

SWS試験はメリットだけでなくデメリットもあります。
ここでは、SWS試験のメリット・デメリットを紹介します。

SWS試験のメリットは?

SWS試験のメリットには、以下のようなものが挙げられます。

・価格が安価
・地盤の硬軟を算出が容易で導入も簡単
・狭小地、傾斜地でも調査がしやすい

地盤調査は費用がかかります。
土地を購入して家を建てる場合、地盤調査を実施したほうが安心です。

しかし、土地や建物の購入費用に加えて地盤調査の費用がかかるとなれば経済的な負担を考えて断念する方もいるでしょう。

安く地盤調査ができれば、手軽に依頼できます。
また、調査に必要な機械も小さいので、都市部の狭小住宅地でも問題なく調査ができるのも大きなメリットです。

SWS試験のデメリットは?

一方、SWS試験のデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

・土質の採取ができない
・硬い地盤には不向き
・深度が増すとデータが不正確になる場合がある

SWS試験はあくまでも土地の軟弱さを調査する検査です。
深い部分にある土のサンプルを採取するなどはできないので、地質の調査は不可能です。

また、「スクリュー」と呼ばれる円錐状の部分を土に挿しこんで調査するため、スクリューが刺さらない硬い地盤は調査ができない場合もあります。
このほか、深い部分になるほどロッドの摩擦抵抗が発生するので、調査の正確性が低くなるのもデメリットです。

SWS試験とボーリング調査を組み合わせればより完璧

SWS試験は、安価で手軽にできる地盤調査方法ですが、地面の深い部分の調査となると正確性に欠け、硬い地盤は調査ができない場合もあるといったデメリットもあります。

そのため、硬い地盤で、地面の深い部分も正確に調査したい場合は、ほかの地盤調査と組み合わせる場合もあります。

その一例がボーリング調査です。
ボーリング調査は、炭鉱での石炭調査にも使われた調査方法で、地面に穴をあけて土のサンプルを採取し、地質と強度を調査します。

SWS試験では調査できない地質調査も行えて、地面の深い部分でも正確に強度の調査ができます。
その一方で、調査が大がかりになり費用もかかるのがデメリットです。

そのため、SWS試験を中心に部分的にボーリング調査を行えば、2つの調査のデメリットをカバーできるでしょう。

まとめ

日本は地震大国であり、強度の弱い地盤に家を建てると震度6強~7でも大きな被害が出る場合もあるでしょう。
そのようなリスクに備えて、地盤調査をすれば安心です。

しかし、SWS試験は硬い地盤は調査ができない・地質調査は不可能などのデメリットがあるのも覚えておきましょう。