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電柱の種類と種別について詳しく解説!電柱の今後についても説明!
2023年01月26日
街中でよく見かける「電柱」ですが、「電信柱」と認識している方もいます。
しかし、この電柱と電信柱がまったく別物なのをご存じでしょうか?
一般の方は、なかなかご存じないと思いますが、電気工事業を目指す方なら知っていなければなりません。
そこで今回は、電柱の種類と電柱の種別について解説します。
電柱とは?
電柱の一番の役割は、文字通り電線を張る柱としての役割です。
当初は通信のための線を張る目的でしたので、電信柱もよく聞くのではないでしょうか。
現在、電柱に張っている線は「電力の供給」「電話線や光ケーブル」「ケーブルテレビ」などの通信に関するものなどです。
ほかに、街路灯がついていたり、信号機がついていたりするものもあり、携帯電話の無線の中継局や基地局として使われている場合もあります。
電柱の所有者は?
電柱の所有権は、その電柱の敷設者の電力会社や通信会社です。
所有者は管理番号が標示されており、同一の電柱に複数の事業者が標示してある場合は、一番地面の近いところに標示してある事業者が所有者と決められています。
電力会社が所有している電柱を通信会社が利用するケースもあり、逆に通信会社が所有している電柱を電力会社が利用するケースもあるのです。
電柱に電線や通信回線などのケーブルを敷設する際は、電柱の所有者の事前許可が必要で利用料も発生します。
電柱の種類は3つ
街中にたくさんある電柱はどれも同じようですが、以下の3つの種類があります。
● 電力柱
● 電信柱
● 共用柱
ここからは、この3種類の電柱について詳しく解説します。
電力柱
電力会社(東京電力・関西電力など)が所有している電柱を「電力柱」といいます。
各家庭や工場などに電気を供給するために設置された電柱です。
また、変圧器などの設備の設置にも使われています。
電力柱については、業者や役所の方々の間では各地方でさまざまな呼び名があります。
● 北電柱=北海道電力
● 東電柱=東京電力
● 関電柱=関西電力
● 中電柱=中部電力
電力柱には、電力会社のプレートやマークが取り付けてあり選別可能です。
電信柱|電話回線や光ケーブル
電話や光回線などの通信用ケーブルの敷設や通信基地局などの設備を置くために使われます。
NTTなどの通信会社が所有者でNTTや前身の日本電信電話公社のプレートやマークが取り付けてあり選別可能です。
共用柱|両方の役割
住宅密集地などでは、電力柱と電信柱を別々に立てる余裕のない場合があります。
そのようなケースでは、「共用柱」と呼ばれる、電力用途と通信用途の両方の役割を持つ電柱を設置します。
電柱の所有者は電柱に貼り付けられたプレートやマークにより判別可能です。
地上から近い方のプレートが電柱の所有者です。
電柱の種別は4つ
電柱種別には、コンクリート柱や鋼管柱、木柱、鋼板柱などがあります。
現代で木柱は使用しませんが、そのほかの適用にあたっては、材質などを考慮に加えた適用領域、経済性、効率や社会的要請を踏まえて決定します。
コンクリート柱|低コスト・高耐久
コンクリート柱は、カゴ状の鉄筋とセメントコンクリートでできている空洞でパイプ状の構造物です。
形状がきれいで低コスト、長寿命ですが、重量が重く運搬や取り扱いに注意を要します。
従来耐用年数は50年程度と考えられていました。
しかし、近年の調査結果によって、経年50年以上のコンクリート柱でも劣化変状が発生していないものも多く、強度低下が起きていないと判明しています。
現在の電柱の大半がコンクリート柱です。
鋼管柱|錆びる可能性あり
鋼管柱は。鋼板を円筒状にして、亜鉛メッキをしたものです。
軽量で径は細いですが、コンクリート柱と比較してコスト高になります。
また錆びる可能性もあるのであまり普及はしていません。
鋼管柱の耐用年数は、早いもので10年程度とされ、設置後21年以上を経過する鋼管柱のうち40%が倒壊の危険性をともなうともいわれています。
木柱
昭和30年代までに建てられた電柱は木柱電柱です。
木材には防腐剤としてクレオソートが高圧注入され、全体が黒茶色で古くなるとクレオソートが塊になって浮き出てきました。
昭和30年代以降はコンクリート柱や鋼管柱が採用されるようになり役目は終わりました。
しかし、今でも地方にいくと結構な数の木柱が現役で頑張っています。
鋼板柱
鋼板を材料にした組み立て式の鋼管柱です。
用途に応じて長短各種の柱を組み立てられます。
山岳地帯や住宅街の送電や配電、通信用の電柱に使用します。
同じ寸法強度のコンクリート柱と比べて約1/6の重さで、組み立て式のため、建柱車が入れないような場所でも搬入が可能です。
建柱に必要な用地や時間もわずかで済むのもメリットです。
無電柱化を目指す電柱の今後
現在の日本における電柱数は約3600万本です。
無電柱化が進んでいる現代ですが、今でも電柱は増え続けています。
環境や福祉の面を考えると、無電柱化に向かっていくのが一番の理想です。
国土交通省も無電柱化の方向に舵を切っています。
2021年から2025年までの5年間で約4,000kmの電線地中化を進めるとしています。
しかし、コストパフォーマンスなどを考えると短期間で電柱がなくなるのはあり得ないでしょう。
まとめ
電柱は身の回りにたくさんありますが、日常生活であまり気にする必要はありません。
近年では、電柱や電線を地中に埋めてしまう無電柱化が進められているところが多く見られます。
無電柱化にメリットはたくさんありますが、大掛かりな工事が必要なのでなかなか進まないのも現状です。
もうしばらくの間は電柱とのお付き合いが続きそうです。
※弊社では電柱の移設や撤去はおこなっておりません。