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土質試験とは?種類や費用・地盤調査の方法など基礎知識を解説!

2022年12月22日

土質試験と聞いても何を試験するのか分からない方がほとんどではないでしょうか。
実は土質試験は土質調査や土質改良のためには欠かせない重要な手続きなのです。
今回はそんな土質試験についてお話をしていきます。

土質試験の種類や内容、かかる費用などこれから土質試験を行う方にとって気になる情報をお伝えしていきます。土質試験をお考えの方のお役に立てば幸いです。

土質試験とは?種類や費用・地盤調査の方法など基礎知識を解説!

土質試験とは何なのか

土質試験とは、土の物性(物理的性質)や強度、浸水性などの確認を目的として実施される試験です。
土の単位体積重量を調べたり、土の分類をしたりします。

実施する目的とは

土質試験を実施する目的としては、地盤沈下や地盤の液状化のリスクの軽減などがあります。
土質試験を実施し、地盤の構成要素の土の性質を把握できれば液状化判定の予測が可能となり、地盤沈下や液状化に対応可能となるのです。

そのほかにも、地盤の特質が把握できていれば工夫を凝らした改良が可能となり、費用の削減や改良の質の向上が図れます。

どの程度の費用が必要なのか

土質試験に必要な費用は2段階で考える必要があります。
具体的な内容は、調査対象である土を採取する費用と実際の試験で発生する費用の2種類です。
土を採取する費用は業者へ依頼する場合が多く、選ぶ業者によって費用の削減が可能です。

試験に要する費用も1,000円程度で済むものから100,000円以上かかるものと内容によって大きく差が開きます。

土質試験の種類は3つある

土質試験には大きく、「物理的性質試験」「力学的性質試験」「化学的性質試験」の3種類に分類されます。
土の性質を知るために、大きく3つに分類し、さらにそのあとより細かく再分類化した試験を実施していくのです。

1.物理試験とは?どのようなものがあるのか?

物理的性質試験とは、土の密度や間隔の比率といった土の物理的な性質を調べるための試験です。
代表的なものが5つあり、簡単にではありますがそれぞれご紹介していきます。

1. 土粒子の密度試験

対象となる土地の土を構成している構成要素である土粒子の単位体積の有機物と無機物のそれぞれの質量を調査します。

2. 土の含水試験

土に含まれている水分量を調査します。
土の含水比、地崩れを起こした際の沈下量の目安になる間隔比、土の飽和度の測定が可能です。

3. 土の粒度試験

土を構成している土粒子の粒径の分布を求めるための試験です。
実施により液状化の対象土層かの判断も可能です。

4. 液性限界、塑性限界試験

土が塑性体から液体に移る際の境界の含水比である液性限界、土が塑性体から半固体へ移る際の含水比である塑性限界を調査します。

5. 土の湿潤密度試験

土全体の単位体積(1㎤)あたりの質量を測定します。
土は土粒子(固体)、水(液体)、空気(気体)の3層で構成されており、水や土粒子の割合が大きい程質量が高くなり同じ種類の地盤と比較すると地盤がよく締まっていると判断されるのです。

2.力学試験とは?どのようなものがあるのか?

力学的試験とは、地盤の強さを調べるための試験で、土の強度・内部摩擦角・粘着力といった土の力学的な性質の調査が可能です。

1.土の一軸圧縮試験

地盤の改良に必要なセメントや石灰の量の調査を目的に実施されます。
人工的に手を加えた土の改良効果の判定や改良地盤の安定性の評価にも活用可能です。

2.土の三軸圧縮試験

補強土壁に使用する盛土材の強度を調べるために主に実施されます。
施工条件や現場状況等に近づけた状態で実施が可能であり、正確な強度定数が知れます。

3.土の締固め試験

調査の目的は、適切な締固めの条件の把握です。

4.コーン指数試験

コーン指数とは、地盤の強さを表す指標の1つです。
コーン指数の値が小さい程土が柔らかく、値が大きくなるほど土が固くなります。
コーン指数の値で車が走行可能な強度を保持しているかを調査するのです。

5.CBR試験

地面に対して舗装設計を行うために実施する試験です。
CBRの値が高ければ舗装の厚さを薄くでき、低いと舗装を厚くしなければなりません。

3.化学的性質試験とは?

化学的性質試験とは、土が持っている科学的な性質を調査する試験です。
性質によっては植物の育成や土中の構造物に影響を与える可能性があるため、重要性を増してきています。

1.土の有害性試験

対象となる範囲の土が有害な物質を含んでいないかを調査します。

2.土の腐食性試験

対象となる範囲の土が腐敗していないかや、腐敗していた場合は影響度合いや腐敗の原因の追及も併せて実施します。

3.肥料成分・土壌養分試験

土に含まれている肥料や養分の成分などを分析・把握します。

現地での地盤調査の方法を解説

土質試験を実施するためには、対象となる地盤の土を調査・採取する必要があります。
地盤調査の方法には大きく3つの種類があり、ここでは1つずつどのような方法なのかをご紹介しましょう。

1.スウェーデン式サウンディング試験とは

スウェーデン式サウンディング試験とは、住宅の地盤調査で最も利用されている簡易的な調査方法です。
戸建て住宅であれば半日程度で調査が完了しますが、あくまで簡易的な方法なため、土の採取ができず細かな土質試験は実施できません。

2.ボーリング調査・標準貫入試験とは

ボーリング調査・標準貫入試験とは、マンションなどの大型の建築物の地盤調査で利用されている地盤調査のスタンダードな試験です。
ボーリング試験では土質試験用のサンプルの採取も可能なため、地盤調査以外の土質の細かな状態や分析も可能なため、より詳細な判断が可能となります。

3.平板載荷試験とは

平板載荷試験とは、地盤に建物の重量に見合う荷重を直接かけ沈下量を測定し支持力を把握する試験です。
路盤や路床、プレハブなどを立てる際の地盤調査に用いられます。

また、擁壁の土台の地盤調査にも活用される機会が多く、地盤支持力、地盤反力係数、沈下量などの数値の計測が可能です。

まとめ

地盤調査とはどういったものなのかについてお話をしました。
工事を行うにあたり、土台・地盤についての理解は非常に重要です。
土台の安定性が建物等の根幹となり、そこで働く方々の安全性を担保します。

土質試験の基礎を知り、必要な試験・調査を選択できるようになれば効率的な行動が可能となります。
知識を身に付け、費用対効果の高い選択肢を選べるようにしましょう。