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電線共同溝を施工する流れを解説!スムーズに進めるポイントは?
2022年12月24日
ここ数年「無電柱化」の言葉を耳にする機会が増えました。
国が推進する事業であり、日常生活に大きく関係する内容ですが、詳細を知らない方も多いのが実情です。
この記事では、無電柱化の手法の一つ「電線共同溝」について説明しながら、いかにスムーズに施工していくか解説していきます。
無電柱化が気になっている方は、ぜひ最後までご覧ください。
電線共同溝は無電柱化促進のために必要
電線共同溝方式は、地中に箱を置き、その中に電力線や通信線を収納します。
無電柱化の手法の中で最も一般的で、都市部の大きな道路ではほとんどが電線共同溝方式で施工されています。
そもそも、国が無電柱化を推進している理由をご存知でしょうか。
無電柱化によるメリットはいくつかありますが、特に中心となるのは以下の3つです。
● 災害に強くなる
● 景観を美しくできる
● 安全な街づくりができる
地震や台風による被害を受けてきた日本にとって、災害時における電柱転倒の被害は無視できません。
電柱そのものが危険なのはもちろん、切れた電線による感電の危険性もあります。
加えて、地中化は情報通信回線の被害を軽減する効果もあるのです。
情報化社会において、重要な情報ネットワークの保護にもつながります。
電柱がなくなると、ごちゃごちゃとした電力線や通信線が視界に入らなくなり、街並みがすっきりします。
見た目が美しくなるのはもちろん、通行の妨げになっていた電柱がなくなれば、狭い道路でも安心して通行できるでしょう。
無電柱化の主な施工方法は4つ
無電柱化における主な施工方法には、次の4つがあります。
● 電線共同溝
● 電線類地中化
● 裏配線
● 軒下配線
無電柱化の言葉から、電線共同溝などの電線類を地中に埋める方法を思い浮かべる方が多いのですが、地中化以外にも方法があります。
裏配線は、まず無電柱化したい主要な道路の裏通りに電線類を配置します。
裏通りの電線類から引き込みを行うと、主要な道路からは電柱を撤去できるわけです。
軒下配線も基本的な考え方は同じで、無電柱化したい主要な道路の脇道に電柱を配置。
そこから電線を家の軒下や軒先に配置する方法です。
無電柱化における主な方式は電線共同溝ですが、歩道の幅が狭いなど、施工が難しい場合もあります。
十分なスペースが確保できない場所では、地中化以外の方式をとり入れて無電柱化を進めています。
電線共同溝を計画的に施工するには|手順を紹介
電線共同溝を施工する主な流れは、次のようになります。
1.整備前の状況確認
2.埋設物探知
3.試掘
4.舗装撤去
5.支障物件移設
6.管路敷設
7.特殊部設置
8.引き込み管設置
9.ケーブル敷設
10.地上機器設置
11.電柱撤去
12.舗装工事
13.完成
対象道路が決まったところで、現場を確認し、電柱や電線の状態や地下の埋設物の位置を把握します。
それから電線共同溝の整備箇所のアスファルトなどを撤去し、すでに水道管などがある場合は移設工事が必要になりますし、掲示板やポストといった支障物も移設します。
電力管、通信管の敷設、特殊部設置、引き込み管設置と、必要な設備を一通り設置してから、ようやく電線や電柱を撤去できるのです。
最後に、工事箇所の舗装を行って完成となります。
整備前の状況確認から電柱を撤去するまで、かなり時間がかかるのがお分かりになるのではないでしょうか。
工事内容も多岐にわたるため関係する省庁、事業者も多く、事務手続きも複雑になります。
ちょっとした手違いが元で数年の遅れが出る可能性もあるため、スムーズに進めるためには、次のようなコツを押さえておくといいでしょう。
● 計画的に依頼する
● 埋設物を正確に把握する
● 現地調査を徹底する
それぞれ詳しく解説します。
計画的に依頼する
電線共同溝を施工するうえで、複数の事業者に依頼する必要があります。
例えば、配線計画図は設計業務の初期段階で必要になるものです。
電線管理者に依頼しますが、配線計画図は作成に1~2ヶ月かかるので、その時間を頭に入れたうえでほかの事業者と契約しなければなりません。
加えて、繁忙期に入ると工期が遅れたり、計画通りに進まなかったりする可能性が出てきます。
事前に詳細な計画を立てつつ、連絡を密にとりながら連携をとっていけば、大幅な遅れを避けられるでしょう。
埋設物を正確に把握する
埋設物の確認が不十分だと工事全体に支障が出る恐れがあるため、事前調査が重要です。
埋設物によっては移設工事が必要になり、そのための費用と時間もかかります。
計画段階で把握しておかなければ、ほかの工事に影響が出る可能性もありますので注意が必要です。
そのため、試掘を行って埋設物の状況を確認します。
移設工事が必要かどうかの判断をするだけでなく、状況によっては、特殊部や管路の位置調整を行うケースもあるので、早い段階で把握しておきたい内容でしょう。
現地調査を徹底する
工事に入る前に現地調査を行いますが、チェックするポイントはいくつもあります。
● 電柱や電線の状況
● 道路状況
● 周囲の枝道
● 歩道にあるポストなど
該当の道路だけでなく、周囲の枝道まで調べるのは、無電柱化の境目を知るためです。
無電柱化の範囲の始点・終点は既存の電柱や新設された電柱で、そこから地中へ配線を引く、もしくは地中からの配線を引く形になります。
そのため、該当道路以外の電線についての情報も必要になるのです。
また、調査の際に重要なのが写真です。
ただ写真を撮って記録するのではなく、あとから見返す資料として、とる順番を決めたり、目印になるものを一緒に撮ったりと、工夫が必要になります。
まとめ
長期間、複数の事業者が関係する電線共同溝の施工を滞りなく進めるには、連携や計画性が重要になります。
加えて専門的な知識が求められる場面も出てくるため、スムーズな施工のために専門業者の力を利用するといいでしょう。
株式会社SWIFTは、2019年から東京、愛知、大阪などでいくつもの電線共同溝設計に携わってきました。
電力・通信企業者、埋設物事業者、道路管理者等との協議や調整も行っています。
設計条件や現地の状況に合わせた設計をご提案しますので、ぜひご相談ください。