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表層改良って何?メリットやデメリット・費用目安を解説
2022年11月28日
まっさらな土地に住宅を建てる前、必ず行うのが地盤調査です。
地盤が柔らかかった場合、地盤改良で丈夫な土地にしてから建築が始まります。
表層改良はいくつかある土地の状態を良くする工法の一つで、柔らかい土地を強くします。
建造物を建てるとき、さまざまな専門用語が出てくるので、どんな工法なのか分からない人も多いでしょう。
業者に任せっきりではなく、どんな施工をしているのか特徴を知っておくことで安心して家づくりが始められますよ。
今回は、表層改良の特徴や施工する利点や欠点などについて、詳しく解説します。
表層改良とは?
表層改良は浅層混合処理工法とも呼ばれ、地盤の浅層が弱い土地に行う工事です。
基本的に地上から2m下までが範囲で、建造物を建てる基盤である土地の柔らかい地層部分だけを掘削して丈夫な土台づくりをします。
地層は固い層もあれば歩くだけで沈むような軟弱な層など、さまざまな土が重なっています。
地層の固さは調査をしなければ分からず、必ずしも過去に田んぼだったり川だったりしたから土地を改善する必要があるとは限りません。
実際に川の氾濫の多いエリアの土地を購入した人の地質調査を行ったところ、地層には河原にある大きな石がゴロゴロと埋まっていて地盤改良の必要がないケースがありました。
表層改良の流れ
工事は次のような流れで行います。
1. 施工する範囲を決める(建造物を建てる場所)
2. 重機を使って掘削する
3. 良質な地盤を確認
4. 掘削した穴に土やセメントを混ぜ撹拌する
5. 固化材を固める
掘削して出た土とセメントを混ぜ合わせ、撹拌しながら建造物の土台づくりをします。
固化材はローラーを使って複数回固めて、より丈夫な土地を作っていきます。
表層改良のメリット
表層改良するべきか、それとも他の施工をした方が良いのか悩んでいる人は、工事する利点についてチェックしましょう。
狭い土地でも改良可能
表層改良は、油圧ショベルの一つであるバックホーという重機を使って作業します。
よく、土砂崩れや洪水などの災害時に活躍する重機です。
バックホーの外寸は大きくないため、小回りが効かないような狭い土地や建造物を建てる場所まで道路が狭いといった場所でも施工できます。
キャタピラー付き重機のため、高低差の激しい土地でも搬入から施工まで一貫してできるのもポイントです。
施工は土質問わない
地盤改良といえば、地面に長い杭を打設する方法が多いのですが、表層部分だけを良くするためどんな土質でも対応できます。
例えば、セメントとの相性が悪い腐植土や酸性土なども対応できます。
もちろん、固化材であるセメントも土質に合わせて種類を変えるので、土台の強度が時間とともに弱っていくことはありません。
表層改良のデメリット
表層改良は建造物の建築にとって良い施工に見えますが、実際に依頼してみると「お断りされた」というケースもあります。
施工前に欠点をチェックしておきましょう。
地下水が流れる土地は不可
どんな土質でも対応できるのがポイントですが、基本的に砂質土や粘性土と相性がいいのが特徴的です。
そのため、工事する部分に地下水が流れていて、水分を多く含む安定しない地盤は適していません。
また、地下水などによって地層に空洞ができている地盤も工事をお断りされるケースがあります。
対応できない土地は、別の工法で施工を考えなくてはいけません。
傾斜のある土地は工事できない
表層改良は地層の浅い部分を削って固化材を流して、土地を強くします。
そのため、斜めの土地は工事が難しく断られる可能性が高いです。
傾斜の土地をフラットな状態にする方法もありますが、業者の技術力が必要となるため、場合によって強度の弱い地盤のまま建造物を建ててしまうケースもあるでしょう。
表層改良と柱状改良はどっちがいい?
地盤改良は表層改良のように建造物を建てる範囲の土地を削って、固化材を固めて基礎を作る方法と、地面に杭を打ち込んで強化する方法があります。
地盤を強くする方法として、杭を地面に打ち込む柱状改良の方が安心と安定性が高いように感じる人は多いでしょう。
二つの工法はいずれも建造物を建築するのに良い地盤まで良くするため、どちらが良いとはいい切れません。
例えば、地質調査で良い地盤が浅層にあった場合、高い費用をかけてムリに杭を打ち込む必要はありません。
逆に良い地盤が中層や深層だった場合は表層改良ができないため、柱状改良や鋼管杭工法をするしかないでしょう。
表層改良の費用目安
表層改良は杭を使った施工に比べ、費用の安さが特徴的です。
掘削する長さや範囲によって費用目安は異なりますが、約20坪の面積で地上から1mの深さを改善するには約30~50万円です。
同じ範囲で柱状改良や鋼管杭改良をすると、プラス50~100万円以上かかります。
また、深さは約2mまでと浅いのですが、施工面積によっては地上から2mまで丈夫にしようとすると、他の工法の方が費用を安く抑えられるケースがあります。
着工する前に、必ず費用の見積もりを取り、経験豊富な業者へ相談してみましょう。
まとめ
表層改良は、地盤の浅層の範囲を改善できる工法です。
丈夫な土地や少しだけ改善が必要な土地に適していますが、表層を地下水が流れていたり傾斜があったりすると施工できない可能性が高いです。
また、業者の技術力によって基礎の強さが変わってくるので、信頼できるところへ相談やお任せしましょう。