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地盤調査法の種類とは?作業員はいったい何をしているのか
2022年11月09日
建物を建てるときには地盤調査が実施されます。
そもそも地盤調査はどうして実施するのでしょうか。
また、地盤調査にも色々な種類があります。
どのような地盤調査方法があり、どのように調査していくのかを解説します。
地盤調査の重要性
建物を建てる土地の状態を知る調査が「地盤調査」です。
地表を見ただけでは分からない地中の状態を、正確に把握するために実施します。
例えば、砂浜の上には海の家などの簡易的な建物は建てられても10階建てのビルは建てられないことは分かります。
これは10階建てビルのような重量物を砂浜に立てると、砂浜が沈んで建物が傾いたり倒壊したりする危険があるためです。
目で見える場所が明らかに砂地で柔らかいことが分かるから、砂浜には10階建てのビルが建たないことが誰でも理解できるのです。
では、もし地表が強固に見える土地の場合はどうでしょう。
地中まで強固な地盤なのか、実は地中に柔らかな地盤が隠されている土地なのかにより、建物が建てられるのかは変わります。
1mくらい掘っただけでは分からないような地中の状態を正確に把握することで、建物が建てられるかどうかが判断できます。
土地がどの程度の重さの建物まで耐えられるのかも地盤調査により判断できます。
土質を知り最適な改良法を考える
地盤調査により、建設を予定している建造物の重さに耐えられない土地と判断された場合でも、地盤改良を実施することで建物が建てられる場合があります。
地盤改良を実施するためには、どのような土質の地盤なのかも把握しなければなりません。
地盤調査では地盤に含まれる土質も調べられます。
その土地に適した地盤改良を実施するためにも、地盤調査は需要といえるでしょう。
法律により義務付けられている
目には見えない地中の状態を調査する地盤調査は、建築物建設時には実施しなければなりません。
これは2000年に発生した阪神・淡路大震災時の教訓をもとに建築基準法で求められるようになりました。
地盤調査により地耐力を調べ、建造物に対して地耐力が劣る場合には地盤改良の実施が必要です。
地盤調査の方法
一般的な地盤調査の方法は三つあります。
・ボーリング調査
・SWS試験
・平板載荷試験
具体的にはどのような調査となるのか解説します。
ボーリング調査
ボーリング調査は、地面に円柱状の穴を掘る調査です。
ボーリング調査の結果はボーリング柱状図として記録され、標準貫入試験の結果や土質区分、地層境界の深度などが把握できます。
標準貫入試験は地盤の固さを知るために必要な試験です。
定められた重りを複数回落とし、30cm貫入できるかを調べる調査です。
30cm貫入できるまでに落とした重りの回数が多い方が硬い地盤となります。
ボーリング調査では1mごとにこの標準貫入試験が実施されます。
また、標準貫入試験を実施するために円柱状の穴を開けます。
この穴から取り出した土は、サンプルとして試験に使われます。
土質や地層の境界深度、支持層の深度がこれらのサンプルで分かります。
また、地下水の水面がどこにあるかもボーリング調査によって分かります。
ボーリング調査は支持層まで杭を到達させなければならない大規模建築物の建設で主に実施されます。
戸建て住宅建設の際にも実施されることがありますが、調査費用が高額となる場合があります。
建設予定地の複数個所でボーリング調査を実施すれば、それだけ費用もかさみます。
また、掘削が難しい岩盤や砂礫などの固い地盤がある場合も費用がかさみます。
SWS試験
SWS試験は「スクリューウェイト貫入試験」の略称です。
昔はスウェーデン式サウンディング試験といわれていました。
ボーリング試験は一回の調査に時間がかかり、調査項目も多いため費用が掛かる方法ですが、SWS試験は短時間で作業が終わります。
本来標準貫入試験でしか得られないN値に相当する「換算N値」の算出も可能で、一般的な住宅建設で実施される調査となります。
現在建設現場では9割以上でSWS調査が実施されています。
先端にスクリューを付けたロッドを使って地面を掘り進める方法で、調査は実施されます。
どのくらいの重量を掛ければ掘り進められるかを計測することで換算N値を算出します。
ボーリング調査では土のサンプルが得られますが、SWS試験ではサンプル採取ができません。
短時間で、さらに安価に終わる調査ですが、その分簡易的な調査となります。
地中10m以上掘り進めるような調査には不向きです。
平板載荷試験
地盤に実際にかかると想定される荷重を直接かけて、沈下した量を測定する試験です。
建造物の建設時よりは路盤や路床を作るときに実施されます。
また、プレハブなどの簡易的な建物を建設するときにも実施されます。
今現在の地盤の強度が直接判断できる試験ですが、将来の沈下量は判断できません。
まとめ
建物建設に適した強さを持つ土地なのかを調べる調査が地盤調査です。
主だった地盤調査には三種類ありますが、一般的な住宅建設の場合はSWS試験を実施するケースがほとんどです。
より詳しいデータが取れるのは、ボーリング調査ですが、費用も時間もかかります。