コラム
column
地質調査は将来性のある職業?必要な資格や仕事内容とは
2022年11月14日
ここ最近、日本の各地で土砂災害が起きていることをきっかけに、地質調査の仕事が注目されています。
将来性のある仕事であれば、必要な資格を取ったり転職を考えたりと、今後どのようにするべきかを考えるでしょう。
そこで今回は、地質調査とは一体どんな職業なのか、将来性などについて詳しく解説します。
地質調査とは
地質調査とは、建造物を建てる土地の地中状況を調べたり地下水や空洞など地盤変動を調べて災害につながらないようにしたりと、さまざまな対策を目的に行います。
地質調査は目的別に、次の三つに分けられます。
学術的分野
大地震を予測する活断層の調査など
資源開発分野
石油や石炭など地下にある資源開発の調査など
建設事業分野
建造物を安全に建てるための調査など
地質調査は土木建設サービス業者が行い、日本の殆どは建設事業分野の地質調査をしています。
地質調査の方法
地質調査の施工は、求める情報によって調べ方が違います。
例えば、地層がどのような構成になっているのか調べるときは、次の方法で行います。
・ボーリング調査
・サンプリング調査
・スウェーデン式サウンディング試験
・弾性波探査
・ジオトモグラフィなど
豪雨や台風発生後、地すべりしないか調べるときは次の方法で行います。
・ボーリング調査
・地下水検層
・簡易揚水試験など
他にも、地震発生後に地面が液状化しないか分析する調査や土壌や地下水が有害物質で汚染されていないか調べる水質調査や土壌・地下水汚染調査などがあります。
地質調査に必要な資格
仕事をするには、地質調査技士という資格取得が必要です。
検定試験は部門によって条件が違うため、必ずしも全員が受けられるとは限りません。
現場調査の受験
・ボーリング機器の操作を五年以上経験
・指定の専門学校(学科)を卒業後、ボーリング機器の操作を2年以上経験
上記いずれかの経験を保有している人が、受験できます。
現場技術・管理の受験
・専門課程専攻の専修学校、高等専門学校、大学卒で三年以上の実務経験
・専門課程専攻の専修学校、高等専門学校、短期大学卒で五年以上の実務経験
・専門課程専攻に限らず高校卒業などで八年以上の実務経験
学歴は高卒でも可能ですが、土木工学や建築学、地質工学など専攻の専門学校や大学卒の人は、実務経験の年数が短くなります。
地質調査士の合格率
合格率は約30%~40%と、資格取得の中では決して高くありません。
受験資格も実務経験が最低二年以上必要なので、条件も少し厳しいのが現状です。
試験は年に一回行われていて、部門によって試験内容や合格率も変わります。
合格後は五年毎に資格の更新手続きと登録料を収めなくてはいけません。
更新手続きをしなければ資格が剥奪され、仕事する際にもう一度受験が必要になるので注意が必要です。
地質調査の仕事内容は?
調査は現地だけではなく、地形や地盤などの資料や周辺環境の情報などを集めて、事務的な作業も行います。
地質調査は、さまざまな人と関わりを持ち、データ回収や分析などが必要なので、コミュニケーション力が欠かせません。
また、調査は危険性を伴うため、自分自身の安全と調査結果による周囲への安全性の両方を考慮しながら務める必要があります。
地質調査は将来性の高い仕事?
地質調査の仕事は、さまざまな場面で必要となるため、将来性の高い職業といえるでしょう。
また、建設業は業種の中でも人手不足が深刻化しています。
建設現場の仕事をするには、無資格でも働けるケースもありますが、多くが専門的な資格が必要です。
例えば、重機を操作するときは専門の運転免許取得などです。
人手不足に加えて、近年増え続けている災害によって地質調査は多くの現場で必要とされています。
給料はどれくらい?
いくら将来性の高い仕事とはいえ、周囲や身の安全性の確保が必要な重要な職業のため、給料に見合わなければデメリットでしかありません。
地質調査の給料目安は、平均年収が500万~700万円が一般的です。
もちろん、企業によってインセンティブ制度などがあるので、有資格者であることから平均よりも高い給料であるケースも多いでしょう。
また、現在資格を保有していなくても、調査員として働きたい若者を支援するために企業側が資格取得の費用をサポートしてくれる場合もあります。
将来性はもちろん、全国各地から求められる職業の一つなので、今後転職を考えるなら有利な仕事といえるでしょう。
まとめ
地質調査の仕事は、建造物を丈夫な地盤の上に建設するために必要不可欠な職業です。
現場での調査の他、過去の資料などを見ながらデータ分析をするなど、さまざまな方向から安全性を求めていきます。
地震や土砂災害などで求人募集も増えており、今後も期待できる仕事です。
資格取得の合格率は高くないため、仕事として働く人は給料面などで優遇の高さが特徴的です。